商業出版を支援する当団体 NPO法人 企画のたまご屋さんのエントリーフォーム(出版企画書応募欄)には、本の目次を書き込む項目があります。
この項目には、本の構成案を順序立てて書きます。
目次は、出版企画の実現可能性を判断するための材料となる項目です。
この記事では、初めて出版企画書を作成する人でも取り組みやすい、目次を作る方法を紹介します。
1.素材を集める
まずは、本に書く内容を決めるため、素材を集めます。
例えば、問題解決のためのノウハウを教える本ならば、具体的な方法のほか、注意点や体験者の声、よくある質問と答えなどが素材となります。
さらに、具体的な方法についても、基本の方法だけではなく、中級編や上級編、裏ワザなどを紹介する項目を立てることもできるでしょう。
加えて、このノウハウを編み出したきっかけやエピソードなども、書いておきたいかもしれません。
このように、本に書きたいこと、読者に知ってもらいたいこと、本を通して伝えたいメッセージなどを、思いつく限り、どんどん書き出してみましょう。
素材が少ないと感じたり、深堀りできていないと思ったら、誰かに壁打ち相手になってもらうのもひとつの方法です。
話しているうちに、あちこちに分散した思考がまとまってきたり、意外なことを思い出すかもしれません。
2.集めた素材でグループを作る
本を書くための素材が集まったら、次はそれらを分類します。
例えば、具体的な方法を説明するために必要な素材を集めて、ひとつのグループを作ります。
さらに、別の内容の素材を集めて、違うグループを作ります。
このように、書き出した素材を内容別に分けて、いくつかのグループを作ります。
グループ分けの最中に、同じような素材が複数あったり、本筋から外れた話が含まれていることに気づく瞬間があるでしょう。
内容が重複している素材があれば、ひとつにまとめてしまいましょう。
企画の趣旨とは関係ない話は、思い切って除外するか、どうしても残したいなら、各章の最後に、こぼれ話のようなミニコラムとして記載する形をとりましょう。
3.並べる順番を決める
素材をまとめたグループができたら、それらを読みやすい順序でまとめます。
例えば、ノウハウを教える本なら、次のような順番で並べることができます。
1.はじめに
2.実践する上でのマインドセットや注意点
3.具体的な方法
4.体験談、お客様の声
5.よくある質問と答え
6.おわりに
上記のような骨組みが決まったら、以下のように、章の中にさらに項目を立てていきます。
3.具体的な方法
3-1.用意するもの
3-2.準備しておくこと
3-3.〇〇の方法
3-4.次にすること
書き終わったら、抜けや漏れがないか、点検しておきましょう。
4.言葉で目次を際立たせる
骨組みができたら、次は魅力的な言葉を用いて、目次を際立たせます。
本を手に取った人が、表紙をめくり、目次を見たときに、思わず釘付けになってしまう言葉や、「これは面白そうな本だ!」と期待するようなフレーズを散りばめていくのです。
この時参考になるのが 類書 です。
あなたの企画と同じジャンルで、ベストセラーとなった本を手に取り、ぜひ目次を見てください。
そして、「どんな項目があるのか」「どんな順番で項目を並べているのか」「どんな言葉を使っているのか」を確認し、自分の企画書に活かせるかどうか検討しましょう。
もちろん、そのままマネするのはいけません。しかし、テクニックを吸収して自分の言葉で表現するのは、問題ありません。
類書の目次を比べてみると、「同じことを説明しているのに、使う言葉はこんなに違うのか」という、驚きと発見があるでしょう。
5.丈夫な骨組みと心を満たすインテリア
目次の作成は、家づくりと似ています。
ちょっとやそっとのことでは壊れない丈夫な骨組み=構成と、心を満たすインテリア=言葉、その両方が揃うと、いいものができます。
ただ、自分にとって住み心地のいい家をつくるのではなく、読者にとって住み心地のいい家をつくることが大事です。
目次をつくるにあたっては、読者ターゲットを明確にして、ターゲットの気持ちを動かす言葉を選んでいきましょう。