2023 年 09 月 25 日

類書の書き方・考え方・探し方~採用される出版企画書のつくり方【9】

商業出版を支援する当団体 NPO法人 企画のたまご屋さんのエントリーフォーム(出版企画書応募欄)には、類書を書き込む項目があります。

この項目には、あなたの出版企画と似ている内容の既刊本を挙げます。

類書はとても大事な項目なのですが、軽視されがちです。また、誤解されがちな項目でもあります。

この記事では、なぜ類書が大事なのかを解説し、類書の探し方についても説明します。

1.売れている本と同じジャンルの本は、やはり売れる

類書は、出版企画の実現性を図るために必要な項目です。

この項目には、特にベストセラーやロングセラーを挙げるのがよいのですが、その理由は、あなたの出版企画が、売れるジャンルの企画であることを証明できるからです。

どんなに良い企画でも、ジャンルによってはあまり需要がなく、商業出版としては成り立たないことがあります。

しかし、売れている本と同じジャンルの企画なら、「これも本にしたら売れるかも?」という期待が高まります。売れている本と同じジャンルの本は、やはり売れるのです。

2.類書がある=ありきたりな企画、という誤解

企画のたまご屋さんの商業出版支援サービス「ほんたま」への応募作には、類書の項目に「なし」と書いてあるものがちょくちょくあります。

また、出版を目指す人向けのセミナーでは、「類書をたくさん挙げると、同じような本を出しても売れないと判断されるのでは?」と聞かれることもあります。

どうやら、類書があるということは、「売れるジャンル」というプラスの意味ではなく、「ありきたりの企画」とか「独創性のない企画」というマイナスの意味に捉えられることがあるようです。

しかし、先ほども述べたように、類書が豊富なジャンルは需要のあるジャンルですし、企画の新しさや他にはない個性は、類書との差別化という項目でアピールすることができます。

特に、ビジネスや実用など、文芸とは違うジャンルで出版を狙うなら、類書の研究は欠かせない作業です。

3.類書の探し方・おすすめの2つの方法

では、どのように類書を探せばよいのでしょう。

まずおすすめなのは、書店で探す方法です。例えば、あなたの企画が介護に関するものなら、介護の本が並んでいる場所を探し、どのような本が並んでいるのかをチェックします。

その中でも、表紙が見えるようにして何冊も積み重ねられた本や、特設コーナーに山積みにされている本が、その店で売れている本、あるいは売りたい本です。

ビジネス書ならオフィス街、子育ての本なら、子育て世代が多く住む町の書店で売れている本を探せば、なおいいでしょう。

次に、Amazonなどのネットストアで、売れている本を探します。

例えば介護の本なら、本のカテゴリーで「介護」と入力して検索すれば、そのジャンルでおすすめの本が表示されます。

その中から、あなたの企画に近い内容の本を探して、実際に何冊か読んでみましょう。

類書を読めば、自分の企画の良い点も悪い点も見えてきます。類書と比べて、自分の企画のどこが優れているのか、何が足りないのかを点検し、次の項目「類書との差別化」に記入していきましょう。

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