商業出版を支援する当団体 NPO法人 企画のたまご屋さんのエントリーフォーム(出版企画書応募欄)には、「この本を制作するために有利な条件」を書き込む欄があります。
この項目で求められている「有利な条件」とは、ズバリ「売れる条件」のことです。
本が出版できれば、それだけで満足する著者も多いのですが、編集者や出版社にとっては、出版後にどれだけ売れるかも、また大事です。
ですから、売れる条件があればあるほど、企画が採用される可能性が高くなります。
1.販促活動ができる
有利な条件として、まず考えられるのは、著者自身が本を売るための販促活動ができることです。
著書の販促の手段としては、以下のようなものがあります。
・SNSやブログ、メルマガで告知する
・セミナーやイベントの会場で販売する
・講師を務める大学などで教科書として使用する
ただ、SNSやブログでの告知は、ある程度のフォロワーやアクセス数がなければ、告知しても売上にはあまり影響は出ません。
どの程度のフォロワーやアクセスが必要なのかは、編集者や出版社によっても判断は違いますが、企画採用後、SNSのアカウントを開設して、本の出版を告知するよう勧められることはあります。
ツイッター(X)やインスタグラムのアカウントがない人は、まずはアカウントだけでも取得しておくといいでしょう。
2.応援してくれる人がいる
SNSやブログのフォロワー数は、著者を応援している人、著者に注目している人の数とも捉えられます。
それ以外にも、以下のような条件があると、応援してくれる人が多いと判断されます。
・この本のキーマンをつかまえている
・ネットワークを組織している中心人物にコネがある
例えば、アロマに関する企画を出版したいなら、アロマに関する団体に所属していて、代表をはじめとした会員たちに本を宣伝してもらえる、ということがあれば、販促に役立つと言えます。
上記の例のように、同業者が集まる団体や、共通の趣味を持つ人たちが集まるオンラインコミュニティなどで本の宣伝ができたり、メンバーのSNSやブログで本を紹介してもらえそうなら、有利な条件として記入してください。
3.メディアに露出できる
テレビやラジオに出演して、著書の宣伝ができる可能性があれば、有利な条件として書いてください。
新聞や雑誌の書評欄で取り上げてもらえたり、著名人のYouTubeにゲストとして出演して著書を紹介できる、というのもOKです。
「テレビや新聞はオワコン」と言われることもありますが、メディアの影響力はまだまだ侮れません。
テレビで取り上げられたその日のうちに、書店やAmazonで品切れになり、ベストセラーとなった本は数多くあります。
お住まいの地域のメディアも狙い目です。地域に根差したメディアは、そこに住む人たちの活躍を好意的に取り上げてくれることが多いので、本を出版したら取材してもらえるよう、働きかけてみましょう。
4.200冊の新刊の中から見つけてもらうために
本は、一日あたり200冊ほど出版されています。
その200冊のうちの1冊である自分の本を知ってもらう・買ってもらうためには、残り199冊より目立つ何かが必要です。
著者の知名度や本のタイトル、ブックデザインなど、目立つためのポイントは多岐にわたりますが、著者自らが積極的に本を売る姿勢や熱量も、人に強い印象を与えます。
あからさまな宣伝に抵抗があったり、人前に出るのが苦手だったりと、販促に消極的な人もいるでしょう。
そのような人も、自分のできる範囲で自著を知ってもらうための活動を計画し、「出版に有利な条件」の欄に書き、実行してみてください。
どんなに素晴らしい内容の本も、まずは見つけてもらわないと、読んでもらえないのですから。