企画には「切り口」が必要だと、よく聞きますね。
出したいテーマで、すでに似たような本が多く出ている場合は、特に新たな切り口が必須となります。
もし、100万部以上売れているミリオンセラー級の類書があれば、それを「パクる」二番煎じでも、そこそこ売れます。間違えて買う人がいるからです。
ただ、せっかく著者になっても、出したのがコバンザメ商法のパクリ本では、出版の実績としてはあまり箔が付かない可能性が高いですね。
よって、既存ジャンルの中でも
独自の居場所を見つけて、自分なりの読者層を発掘する工夫が必要となるのです。
鮮度の高い「切り口」を見つけて、新しい読者を掘り起こせるだけの魅力を企画に加えられれば、その前向きな姿勢に理解を示す出版社が現れることも期待できます。
ツッコミ禁止ルールの下、皆でひたすらアイデアを出し続ける企画手法でおなじみの「ブレインストーミング」を考案した、
アレックス・F・オズボーン氏をご存知でしょうか。
彼が提唱する、アイデアをムリヤリひねり出す方法が、「オズボーンのチェックリスト」です。
チェックリストは主に、9つに分かれます。
■1.転用… 他に使い道はありませんか?
かつて『悪魔の辞典』(アンブローズ・ビアス)は、国語辞典というテンプレートを借りて、世の中に対して皮肉やブラックユーモアを浴びせるという切り口で注目されました。
■2.応用… 他からアイデアが借りられませんか?
テレビ番組の「続きはCMの後で」と、期待を持たせて引っ張る手法を、書籍で次のページをめくらせる煽り文句に使うことも可能です。
また、『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』(詩歩)は、Web上に散在している世界各地の風光明媚な観光地のフリー画像を書籍化した例です。
■3.変更… 色、形、音、におい、動き、形式を変えられませんか?
『へんないきもの』(早川いくを)は、生物図鑑を「変」という共通点で再編集して、ベストセラーとなりました。
■4.拡大… より強く、高く、長く、厚く、多く、広く、大きくできませんか?
漫画『もやしもん』(石川雅之)は、菌やウイルスを「拡大」し、さらに擬人化・キャラクター化して話題を集めました。
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この続きは
次回お送りします。〔長嶺超輝〕