書いてある言葉の意味は、いちおう分かるんだけれども、全体を通して読んでみると、結局何を伝えたいのかが分からない本があります。
中身が全然頭に入ってこない著書がありますよね。
説教くさい道徳論や単なる自慢話などを長々と語っていたり、難解な専門用語を説明ぬきで使ったりと、読者に主張が伝わらない原因はいくつか考えられます。
もし、そのような鬱陶しい要素がないのに読みにくければ、
「アウトラインをいい加減にしたまま」なのが最大の原因かもしれません。
アウトラインとは、原稿の全体構造(輪郭)のことです。
文章を書くことは、基本的に1文字ずつキーボードを叩いて紡ぎ出す、地道な作業です。
ただ、文章を書くことだけに没頭していると、全体像が分からなくなり、「今、何のために何を書いているのか」現在地を見失いやすくなります。
知っていることを、ただ思いついた順番に書き付けているような状況に陥りがちです。
それでは、書く立場では書きやすかろうと、読みやすい文章にはなりません。
そこで、
まるで鳥が上空から見下ろしているように、原稿全体を俯瞰して、「読みにくくなっていないか」「書く順番は、これでいいのか」を点検することも必要になります。
そのように、原稿がどのような構造になっていて、文章や見出しがどのように並んでいて、今どこを書いているのか、カーナビのように上空から現在地を確認する手段が「アウトライン」なのです。
原稿は、
文章が並んでいる「順序」こそが生命線です。
たとえば、おいしい
「夏野菜カレー」の話題を原稿に書くとします。
夏野菜カレーを一度でも作ってみたことがある人なら、様々なトピックを挙げることができそうですね。
どんなことを書けばいいのか、ひとまず洗い出してみましょう。
カレーには、ウコンなどのスパイスも含まれている。
夏野菜と他の野菜の違い
そもそも夏野菜って、どんなもの?
より美味しくなるワンポイント
水の量は?
夏のカレーは傷みやすい
カレールーを溶かす
夏野菜ドライカレー
野菜を刻む
夏野菜の健康効果
どの肉を炒める?
野菜を素揚げしてみる?
まずは、文章の内容を考えるより先に、アウトラインを考えたいトピックを並べる順序を考えてみたいところです。
この続きは
次回にお届けする予定です。
どのような「並べ替え」をすればいいか、皆さんも考えてみてください。
順序を考える上で意識したい方向性、そのヒントは
「グループ分け」と
「何が何に含まれるか(包摂関係)」です。