ヤマト政権と深くかかわっていた古代濃尾地方
本書では最新の古墳の発掘調査・研究から、古代濃尾地方の歴史や文化、生活に迫っています。
著者は長年にわたって名古屋市博物館に勤めながら古墳研究に取り組んできた藤井康隆さんです。著者によると、岐阜県と愛知県にまたがって広がる濃尾地方は古代日本の東西を結ぶ中心であり、ヤマト政権に深くかかわったとされています。
古代の濃尾地方の謎になっているのが、豪族の尾張氏です。尾張を本拠地として美濃、飛騨を支配していました。多数の氏族と同族関係があり、その系譜から天皇の后紀となった女性も少なくありません。ヤマト政権にも大きな影響力があったとされているにもかかわらず、その実像には諸説あり、未だに明確な答えはありません。
著者は、古墳の築造時期、地域、形、埋蔵物など、考古学的な要素から、当時の文化の流れ、地域ネットワーク、ヤマト政権への影響などを分析し、尾張氏の正体を考察しています。
本書を読むと、古代の人が残したものから、当時の生活が蘇ってきます。古墳に関する専門知識を得たい人はもちろん、古代日本の歴史や謎に興味がある人にもおすすめの一冊です。(中山寒稀)
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濃尾地方の古墳時代