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2022 年 08 月 16 日

奇想天外な目と光のはなし

著者:

入倉 隆

出版社:

雷鳥社
教養実用書

世の生物の目には何が映っているのか?

私たち人間の目から見えている世界は、事実ではないかもしれません。

本来、目は光を感じる器官であり、複雑な進化の過程を経て、「目」になったそうです。そのため、人間を含め、それぞれの生物の特性により目の機能や構造が異なっています。

つまり、人間の目で見えている世界は、人間の特性に沿った視覚なのです。

本書で、それぞれの生き物から見える世界を教えてくれるのは、視覚心理学の研究者の入江隆さんです。

カラスの迷惑行為といえば、ゴミあさり。その様子を見ていると、カラスは、むやみに荒らしているわけではなく、好物が入っている袋を狙っていることがわかります。たくさんあるゴミ袋からどうやって好物が入っている袋を見分けているのでしょうか。

著者によると、半透明のゴミ袋であっても、カラスには中身が見えていると考えられるそうです。

その理由は、鳥の角膜や水晶体は紫外線を透過することにあります。一方で、人間の目に見えるのは、可視光線のみであり、紫外線は網膜まで届きません。そのため、人間には半透明のゴミ袋の中味を見ることができないのです。

カラスのゴミ被害を防ぐ方法として考え出されたのが、カラスよけの黄色いゴミ袋やゴミ用ネットです。とても効果があるため、「カラスには黄色が見えない」と思っている人も多いのではないでしょうか。実はそれは間違いで、それらのゴミ袋やネットには、紫外線を透過しない塗料が塗ってあります。あくまでもカラスに効果があるのは塗料であり、「黄色」には意味がないそうです。

本書では、人間を含めた動物や昆虫などさまざまな生き物の目の秘密が解き明かされます。人間にとってはっきり見えているものが当たり前ではないという、とても不思議な世界です。(中山寒稀)

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奇想天外な目と光のはなし