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2022 年 05 月 17 日

非認知能力をはぐくむ絵本ガイド180

著者:

寺島 知春

出版社:

秀和システム
子育て実用書

絵本が育てる9つの「生きる力」

最近よく「非認知能力」という言葉を耳にします。非認知能力とは、社会情動的スキルとも言われ、感情の動きをコミュニケーションに活かす力のことです。幼少期から児童期にかけて伸びやすく、人生全般に影響を与えると言われています。

子どもの非認知能力を育てる方法として、本書の著者、絵本ワークショップ研究者である寺島知春さんがすすめているのが絵本です。絵本を読むことで子どもの心は揺さぶられ、複雑に絡み合ったたくさんの情動が呼び起こされます。そこで触発される情動や受け取り方は、子どもによってさまざまです。そんな多様性を絵本がまるごと包み込むことで、子どもの非認知能力は、はぐくまれていくと言っています。

本書では、非認知能力を「忍耐力」「自己抑制」「目標への情熱」「社交性」「敬意」「思いやり」「自尊心」「楽観性」「自信」の9つに分類し、各能力ごとに20冊の絵本を紹介しています。

忍耐力をはぐくむ絵本として紹介されているのが、大人気シリーズの「ミッケ!」です。精巧なジオラマの中から、指定されたものを探していきます。絵本とはいえ、大人でも音を上げるほどの難問です。著者によると、子どもは興味のあることには、高い集中力で長時間取り組むことができるといいます。そして、ついに目的のものにたどりついたとき、「ミッケ!」と叫ぶ快感を体験できる絵本です。

本書では、非認知能力を養う絵本とともに、読み聞かせや子どもに興味を持たせるコツも紹介されています。昔からある定番の絵本も多く、子どものころとは違った目線で、絵本が持つ意味を考えさせられる一冊です。(中山寒稀)

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非認知能力をはぐくむ絵本ガイド180