ロジカルなようでロジカルじゃない。残念な考え方とは?
本書によると、間違った思考パターンは、間違った結論を導き出してしまうのだそうです。そんな間違った結論のひとつが、コロナウイルス感染症に関するデマ。たとえば、「コロナウイルスによる感染は熱湯を飲めば防げる」という噂は、「熱湯消毒があるのだから、ウイルスは熱に弱いのだろう」というもっともらしい理由が未知のウイルスに不安になっている人の心に入り込んできたのではないかとのこと。人は納得できる理由があると、それ以外の可能性を考えずに思考を止めてしまいがちです。
著者はロジカルシンキングやマーケティングなどのコンサルティングや研修の講師を務める幸本陽平さん。著者によると、偽の情報を簡単に信じてしまうのは、「残念な考え方」のせいだと言っています。思考がつながっていない、浅い、狭いなどの理由により、考えが不十分で誤った結論に達してしまうのです。気をつけたいのは、残念な考え方であっても、一見、それなりにきちんと考えているように見えてしまうこと。聞いている側も「そういうこともあるかも……」と同意してしまいそうになるのです。
本書では、残念な考え方の15のパターンを学ぶことにより、ついつい残念な考え方をしてしまう自分の思考のクセを知り、それを避けることでロジカルな思考を身につけることができます。
そんな残念な考え方のひとつとしてあげているのが、「わずかな経験を重視しすぎてしまう」こと。
新入社員の直木さんが、ある美容研究家を新商品のイメージキャラクターに起用するという提案をします。その理由は、過去に美容研究家がインスタグラムで紹介したことをきっかけに、自社商品がヒットしたから。もっともな提案のように思えますが、著者はこう言っています。
“経験から学ぶ、それ自体はとても有効です。しかしその経験は「一般化」してよいでしょうか。「再現」ができるでしょうか。経験そのものは事実でも、そこに解釈が加わることで自分に都合のいい評価や過大評価をしてしまっていないか、注意しましょう。”
同じ美容研究家でも、広告のイメージキャラクターとして起用した場合、「広告ならいいことを言うはずだ」と消費者の受け取り方が全く変わってしまう可能性が高いのです。
例としてあげられている15の「残念な考え方」は、一見ロジカルに思えるものばかり。気が付かないうちに、「残念な考え方」をしてきた人も多いはず。そんな自分の思考のクセに気づき、「つながる・深い・広い」ロジカルシンキングを身につけましょう。(中山寒稀)
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脱!残念な考え方 ついやってしまう思考の落とし穴15