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2021 年 03 月 09 日

クリエイティブ・イノベーションの道具箱

著者:

今井 健太郎

出版社:

雷鳥社
自己啓発書

20の道具で創造力や発想力を身につけよう

働き方が多様化し、世の中が大きく変わりつつある今、職業にかかわらず「創造力」や「発想力」を持つことが大切になってきました。……そうはいっても、どうすればそれが身に付くのか、そのスキルをどう生かせばいいのかわからないというのが正直なところ。そこで、本書では、クリエイティブスキルを磨くための20の思考法とその使い方を紹介しています。

著者は、戦略コンサルタントの今井健太郎さん。企業の未来を切り開く、斬新な企業戦略を導き出すためには、財務諸表のような数値的なものだけでなく、あらゆる方向で思索を巡らすことが必要だと言っています。

クリエイティブスキルを磨くための道具のひとつが、「斧」。固定観念を断ち切るための道具です。著者は、固定観念から抜けることの難しさを示す例として、「仔象の鎖」という話をあげています。

“象は、仔象のときに引きちぎれなかった鎖は、大きくなってもちぎれないと思い込んで最初からあきらめてしまうそうです。これは人にもよく当てはまることで、既成概念・固定観念・常識に支配されると、その考えに沿った行動しかとれなくなります。”

著者によると、既成概念や固定観念は、習慣化されることで悩まずに行動できるというメリットがあります。その反面、新しい事業やアイデアを創造するためには、大きな障壁になるそうです。そこで、道具箱の「斧」を使って固定観念を断ち切り、前提条件を疑うことから始めることをすすめています。

固定観念を断ち切ることで生まれたのが、「一冊の本を売る本屋」として知られている森岡書店。たくさんの本の中から1冊を選ぶという既成概念から離れ、1冊の本だけを販売することでコアなファンを獲得してきました。

このような新しいアイデアを生み出す訓練のひとつに「リバース・プレリクイジット」というワークショップがあります。

たとえば、新しい学校を開校することを考えてみると、常識的に「キャンパスがある」という前提条件が思い浮かびます。しかし、「キャンパスがない」のように、あえてそれを逆にした前提条件を設定してみる。そして、それを成立させ、説得力を持たせるにはどうしたらいいかを思考します。既成概念から離れ、思考をめぐらすことによって、まったく違った学校像が見えてくるようになるはずです。

本書には、クリエイティブスキルを身につけるための20の道具とともに、それぞれの思考法を磨くためのワークショップも紹介されています。具体的にその思考法を体感することができるのではないでしょうか。

クリエイティブスキルを身につけたい方だけでなく、なんとなく現状に行き詰まりを感じている方にとっても新たな視野が広がりそうです。(中山寒稀)

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