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2020 年 09 月 05 日

暮らしとこころに風を入れる「家開き」術 人がつながる 人が集まる

著者:

池上 裕子

出版社:

原書房
シニアライフ実用書

長い人生を楽しくいきるための自宅ライフのつくりかた

人生100年時代。「長い人生を楽しく快適に生きるために大切なものは?」と問われたら、何を思い浮かべるでしょうか。

もちろん、安心で豊かに暮らすための不動産や預金などの有形資産は大切です。しかし、幸せな生活には、それだけでは足りないと話すのは、本書の著者。キャリア40年のベテラン建築士です。有形財産のほかに、健康や知識、スキル、仲間などのお金に換算できない無形資産もとても大切だといいます。

本書では、有形財産の家と無形財産の2つを同時に維持管理し、長い人生を楽しく生きるための「家開き」を提案しています。「家開き」とは、自宅に人を受け入れること。積極的に他者と交流することで、何歳になっても楽しく生き続けることができる、豊かな暮らしを目指します。

ある40代の女性の家には、いつもたくさんの知人や友人が気楽に立ち寄ります。彼女は、交通事故で重度障害を負い、車椅子の生活になりました。一人では全く外出することができません。だからこそ、たくさんの人が来てくれる家を目指したのです。

夫君は事故後、体が不自由になった彼女のためにバリアフリーの家を建ててくれました。しかし、病院でしか見かけないような設備が家中にあり、普通の家とは言い難い雰囲気だったといいます。彼女は、人が集まれる家で、障害者がいることを意識させない空間を作りたいと強く望むようになりました。建築士であり、ママ友の薫の協力もあって、見た目ではわからないような車椅子のために様々な工夫が凝らされた家が完成しました。

彼女はその家に積極的に人を招きました。友達はもちろん、絵画の先生に来てもらって絵のレッスンを受けたり、パソコンで交流した人を招いて食事会をしたり。インターネットを通して交流をもった韓国からもお客さんが来るようになりました。さらに積極的に家事労働もこなしたことが筋力や運動能力を鍛えたのか、あまりの身体の回復の良さに病院の先生が驚くほどだったそうです。

その家で5年間、人生を謳歌し、彼女は亡くなりました。心を開いて住まいを開くと、こんなにも人と人はつながり、人生を楽しむことができることを女性が教えてくれたと著者はいっています。

その他にも、本書では、自宅サロンやイベント会場にするなど、さまざまな「家開き」の形が紹介されています。

老後の話というと、どうしても「有形資産」にばかり目が行ってしまいます。もちろん、豊かな安定した生活はとても大切です。それと同時に幸せややりがいを感じられるのはどんな暮らしなのかも考えていきたいですね。(中山寒稀)

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