病気を治すのは自分。体・心・魂に正直に生きる
本書の著者は、ホリスティック薬剤師。ホリスティックとは、「HOLISTIC」と書き、直訳すると「全体的な・包括的な・調和」という意味になります。ホリスティック医学は、人体が持つ体(BODY)、心(MIND)、魂(SPIRIT)の三位一体のバランスを大切にする医学のこと。そんなホリスティック医学の代表が、伝統医学の東洋医学であるアーユルヴェーダだといわれています。しかし、科学の進化とともに治療は、薬と手術を主な治療手段とした現代医学である近代西洋医学へと方向を変えていきました。
本書では、ホリスティックな健康観を持ち、自分の状態に敏感になって、薬に頼らずに自然治癒力を高める方法を紹介しています。
例えば、薬を使う前にできることのひとつに、「栄養療法」があります。「食事療法」という言葉はよく聞きますが、これとは少し異なります。「食事療法」は、悩んでいる主訴に対して、食材や料理の視点でどんなものを食べて、どんなものを控えるかという考え方が一般的。それに対し、「栄養療法」は、主訴に対して、食事内容や生活環境、個人の体質までを考慮して「栄養素の使われ方」の視点を加えたものです。そのため、「栄養療法」は、「食事療法」も重視します。
なぜ「栄養療法」が必要なのでしょうか。生活環境や食習慣によっては、消費しやすい栄養素や不足している栄養素があります。この飽食の時代に栄養失調なんて無縁と思われがちですが、「新型栄養失調」が問題になっているのです。現在は、飽食でありながら「貪食の時代」。食べるものは溢れているけれど、その中身がどんどん疎かになってきています。特に脂質や糖質が多い食品が増えてきており、それらで空腹を満たしてしまうと1日に必要な体を構成するタンパク質やビタミン、ミネラルが不足してしまうのです。そんな栄養失調や一部の栄養の過多によって起きる不調は多くあるそうです。
そんな不調を解決するためには、薬よりも不足している栄養素を補うことが大切です。もちろん、健康診断の検査値のような目安があることも大切なのですが、その結果が自分に合致するとは限りません。平均的な数字だけで線引きするだけでなく、自分を客観視し、それぞれに合った栄養療法を取り入れるようにしてほしいとのこと。
栄養療法のほか、自然治癒力を高める方法として、マインドフルネス、メディカルハーブやアロマテラピーなどの自然療法が紹介されています。
ちょっとした体調不良は、早く治したくて、ついつい市販薬に頼ってしまいがち。それよりも、ゆったりと自分の体や心の声に耳を傾ける大切さを痛感します。自分の体を大切にするとはどういうことなのかを考えさせられる本です。(中山寒稀)
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