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世界の紛争地ジョーク集

(早坂 隆/中央公論新社/2004年3月)

好評につき「世界の反米ジョーク集」も発売。続いて発売された「世界の日本人ジョーク集」は76万部の大ベストセラーとなった。

出版企画書

タイトル

※最大文字数120文字
笑いは世界を救う!……紛争地ジョーク集

キャッチコピー
(帯文)

※最大文字数200文字
イラク、パレスチナ、アフガニスタン、クルド人から、あの北朝鮮まで、世界34の国や地域、民族のジョークや笑い話を収録!

本書の内容

※最大文字数200文字
海外ノンフィクション
中東や東南アジア、旧ユーゴスラビアや東欧諸国等、世界各地でその国の人々から集めたジョークや笑い話を、その国の解説付きで楽しく紹介

著者名

※最大文字数120文字
早坂隆(企画者と同じ)

著者プロフィール

※最大文字数1000文字
ルポライター。世界の紛争地域を取材。
2002年、週刊金曜日ルポルタージュ大賞優秀賞受賞。
*主な著書
「ルーマニア・マンホール生活者たちの記録」(現代書館)
「素顔のイラク」(連合出版)など。 

企画意図

※最大文字数1000文字
・同時多発テロ、アフガニスタン戦争、イラク戦争と国際情勢が混乱する中で、日本人の国際意識も年々高まりつつあります。
・しかし、「顔の見えない戦争(報道)」とも言われるように、実際にその地に住んでいる市井の人たちの日常の生活や表情、言葉はなかなか伝わりにくい面があります。
・彼らが日頃楽しんでいるジョークや笑い話を紹介することにより、当地の人々に対する関心や想像力(イメージ)を喚起します。
・戦火において多くの娯楽が制限される中で、ジョークや笑い話は人々の生活の支えになっています。それらは文字として記録しておく価値があるものと考えます。
・日本ではジョークと言うとアメリカのものが思い起こされますが、世界にはそれぞれの国や地域で楽しまれている固有のジョークが無数にあります。それらの多くはまだ日本では知られていないものであり、読者も新鮮に感じると思われます。
・国際問題を扱った本は、(活字でいっぱいの)本格的ルポや難しい論文よりも、それらの問題を優しく噛み砕き、わかりやすい見せ方にした「ライトな国際本」が売れる傾向にあると思われます。(例/「世界がもし100人の村だったら」「マンガ金正日入門」)。 

企画の背景

※最大文字数1000文字
・2003年に始まったイラク戦争は、戦争終結宣言後に泥沼化。2004年には日本も自衛隊を派遣することになり、イラクを巡る問題は今後も最も大きな社会的関心を呼ぶと思われます。イスラエルとパレスチナ、アフガニスタン、テロの世界的な拡散等の問題も含め、国際情勢の緊迫状態は2004年も続くでしょう。
・とくに2004年は、イラクへの派兵や、北朝鮮問題など、日本にとっても深く関わってくる国際問題がクローズアップしそうな年です。国際社会に対する情報を知りたいという社会心理は続く(増す)だろうと思われます。

読者ターゲット

※最大文字数400文字
・メインターゲット
国際意識の高い20代~50代。ジョークや小咄が好きな30代~50代。
・サブターゲット
ジョークという馴染みやすい内容を活かして、日頃は国際関係の書籍を手に取らない若い層を取り込みたいと思います。 

類書

※最大文字数400文字
・ジョーク関係
「ポケット・ジョーク」(角川文庫)、「ユダヤ・ジョーク集」(講談社プラスアルファ文庫)、「アメリカン・ジョークに習え!」(アルファポリス)

類書との差別化

※最大文字数400文字
・現行のジョーク集は「欧米」ものばかり。中東アラブ諸国や東南アジア、ロマ族(ジプシー)、クルド人、旧ユーゴスラビア、東欧のジョークを集めたものは今までにありません。

体裁など(案)

※最大文字数200文字
・四六版 224ページくらい。ソフトカバー。
・定価は1200円程度。

この本を制作する
ために有利な条件

※最大文字数1000文字
・完成原稿あり。
・著者のサイトで宣伝できます。
・携帯端末で配信することができます!
(ジョーク集は一つ一つの文章が短いため、携帯電話配信用に適しています)・1月下旬に電子書籍化を予定しています。

目次構成案・原稿見本サンプル

目次構成案

※最大文字数4000文字
第一章 中近東

    イラク編
    パレスチナ編
    イスラエル編
    トルコ編
    シリア編
    アフガニスタン編
    レバノン編
    イラン編

第二章 旧ソ連

    ロシア編
    エストニア編
    リトアニア編
    アルメニア編

第三章 東欧

    チェコ編
    ポーランド編
    ハンガリー編
    ルーマニア編
    ブルガリア編
    マケドニア編
    アルバニア編
    セルビア・モンテネグロ編
    クロアチア編
    ボスニアヘルツェゴビナ編
    コソヴォ自治州編

第四章 国を持たない人たちのジョーク

    ロマ(ジプシー)編
    クルド人編

第五章 アジア

    北朝鮮編
    ミャンマー編
    フィリピン編
    カンボジア編
    ネパール編
    インドネシア編
    インド編
    モンゴル編
    中国編

原稿見本

※最大文字数8000文字
●誘拐事件 (イラク)

ある時、サダム・フセイン大統領が何者かによって誘拐された。数日後、犯人グループから大統領宮殿に脅迫電話がかかった。「いますぐに百万ドル用意しろ。さもなければ大統領を生かして帰すぞ」

●出国の自由 (イラク)

問い・サダム・フセイン大統領が国民に出国の自由を与えないのはなぜか?
答え・ひとりぼっちになってしまうから

<解説>
これは私がヨルダンを訪問した際、首都アンマンに住むイラク人から聞いたジョークです。 彼はアンマンの旧市街にあるイラク料理屋で働いていたのですが、連日のように顔を出す私といつしかすっかり仲良くなりました。イラク人は宗教的な理由からお酒はほとんど飲みませ。その代わりに熱いお茶をゆっくり楽しみながらとっておきのジョークを繰り出します。私はこの直後に陸路でヨルダンからイラクに入国しました。フセイン政権下の二〇〇二年夏のことでした。

●イラクの魚 (イラク)

問い・イラクでは釣りをしてもなかなか魚が釣れない。なぜか?
答え・魚も口を開けるのが怖いから

<解説>
イラクでの滞在はその入国時からしてジョークのようでした。なんと国境の入国管理室で血を抜かれたのです。エイズ検査という説明を受けましたが、この採血でこそ感染するのではないかという不安と心配に苛まれました。私は今までに多くの国々を訪問しましたが、入国時に血を抜かれたのは後にも先にもこの時だけの経験です。独裁国家というのはこういうものかと納得させられました。 滞在中は常に外務省と情報省からの役人二人が見張りのように同行します。私はその役人の一人と懇意になり、気軽に何でも話せる仲となりました。彼はサダム・フセインについて当初、
「私は彼を尊敬している」
と言っていましたが、滞在も終わりに近づいたある日、移動中の車の中で次のような発言を私に披露してくれました。
「君は本当にフセインのことを尊敬しているの?」
「もちろん、間違いない」
「絶対に?」
「ああ、百%」
「百%?」
「いや、千%だな」
彼はそう言った後で顔を私の耳もとに近づけて嬉しそうに囁きました。
「マイナス、ね」

フセイン政権下にはフセインを肯定する人もいれば否定する人もいました。しかし、彼が車の中でのみコソっと本心を打ち明けたように、公の場での言論の自由は完全に封鎖されているといっていい状態でした。街の中では写真を一枚撮るにも役人から許可をもらわなければなりません。宿泊しているホテルからも勝手に出るなと固く言われました。
しかし、そこは私も人から言われたことを素直に守れる方ではありません。イラク中部の街ナジャフでは見事に監視の目をすり抜けてホテルから抜け出し、自由に街を散策することに成功したのです。
街の人々は気軽に声をかけてくれ、ジュースやアイスクリームをおごってくれる人もいました。
ジョークも政治ネタはタブーですが、そうでないものなら嬉しそうにいくらでも教えてくれました。立派な髭を蓄えたオジサンたちがアイスクリーム片手にジョークを披露する様は、かわいらしくさえありました。

●妙香山 (北朝鮮)

妙香山(ミョヒャンサン・北朝鮮の観光地)には動物や人間のような形をした岩がたくさんあって、それが一つの見所になっている。
案内人「あの岩は男女が抱き合っているような形をしていると言われています」
金正日「(付き人に向かって)女性の片手がないがどうしてだと思う?」
付き人「は! 恐らく男性のあそこを握っているのでは」
金正日「ふむ。私もそう思っていた」

<解説>
これはあるジャーナリストが妙香山の案内人から聞いたというジョークで、訪朝経験のある日本人記者も聞いたと言う話です。
北朝鮮を巡る問題は日本にとってこれからも最大の関心事であることは間違いないでしょう。拉致問題、核疑惑、ミサイル発射問題、慢性的な食糧やエネルギーの不足等、多くの難しい問題が山積みなだけに、両国政府には今まで以上の慎重な対応が求められています。「近くて遠い国」北朝鮮との溝が埋まることはないのでしょうか。

●面接試験(北朝鮮)

ある日、賢いA君とバカなB君が面接試験を受けることになった。
B「面接なんて、どうしたらいいかわからないよ」
A「じゃあ、僕が最初に入るから、こっそり見て、それを真似すればいいよ」
B「わかった」
  Aはそう言って面接室へと入って行った。
A「失礼します」
面接官「ああ、座りたまえ」
A「いいえ、だいじょうぶです」
面「いいから座りたまえ」
A「いいえ、いいえ」
面「いいから」
A「はい」
  Aはそう言って腰を下ろした。
面「君はサッカーの王と言えば誰だと思う?」
A「昔はペレといわれていましたが、今はマラドーナです」
面「君は宇宙には宇宙人がいると思うかい?」
A「そう言う人も多くいますが、まだ科学的には解明されていません」
面「なるほど。はい、では終わりです」
  続いてBが面接室へと入って行った。
面「君、戸が開けっ放しじゃないか。閉めたまえ」
B「いいえ、だいじょうぶです」
面「いいから閉めたまえ」
B「いいえ、いいえ」
面「閉めなさい!」
B「はい」
面「君のお父さんの名前はなんだね?」
B「昔はペレと言われてましたが、今はマラドーナです」
面「君はバカかい?」
B「そういう人も多くいますが、まだ科学的には解明されていません」

<解説>
北朝鮮の学校で教育実習をしたある人が、向うの学生から聞いたというジョーク。
北朝鮮の核開発問題は、日本のみならず北東アジア、ひいては世界全体の安定にも関わってくる問題です。
北朝鮮は二〇〇二年十月、高濃縮ウランによる核兵器開発に従事していることを認めました。その後も、核拡散防止条約(NPT)脱退宣言、使用済み核燃料の再処理再開など、核開発というカードを手にした「瀬戸際外交」を続けています。
これらの動きに対し、国際社会は六カ国協議の枠組みの中で、「対話と圧力」というスタンスを維持しながら解決策を模索しています。日本にとっても安全保障上の切実な問題なだけに、どのように危険を回避し国民を安心させていくのか、日本外交の最大の課題と言えるでしょう。