2018 年 08 月 21 日

【その4】企画の「市場規模」を考えましょう

●企画立案
出版企画は、ユニークで面白ければいいわけではありません。 自分が個人的に役に立ったことや、うまくいった成功体験を書けばいいものでもありません。

もし、それだけの話なら、ご自身のブログやSNSに書いたほうが早いのです。 ブログやSNSに書いてみて、どれほどの反響があるかを実際に確認してみることも大切な作業といえます。

では、ブログをたくさんの人々が読んでくれたのなら、あるいはSNSでウケて、多くのシェアやリツイートをしてもらえたなら、いずれ出版できるのでしょうか。

その答えは「Yes」でもあり、「No」でもあります。

 

たしかに、インターネット上で評判になっているものを書いたり作ったりしている人を探している編集者もいます。その人に著者になってもらうため、本の出版を依頼するのです。

しかし、ネットで評判になれば、そのうち出版の依頼が来る……とも限りません。

 

なぜなら、インターネットに載っているのは「無料」で読める文章やイラストだからです。

出版とは、書籍という「有料コンテンツ」を世に出すことであり、ネットで読めるものとは決定的な違いがあります。

たとえ、ネット上で面白がられて、たくさんの人がシェア・リツイートをしていても、お金を払ってまでそれを読みたい人が居るかどうかは、また別の問題です。

よって、「ネットでウケてたのに、出版したらサッパリ売れない」という現象が、往々にして起きてしまいます。

出版社に勤務する編集者としては、書籍化する以上、「1,000円前後を支払って読んでくれる人が、最低でも2000~3000人以上いる」と言える根拠を出して、編集会議で社長や編集長、営業部長などを説得しなければなりません。

これを、いわば「出版企画の市場規模」だと捉えることができます。

初版2000~3000部が売れると見込まれる企画でなければ、どんなに社会的な意義があっても、出版社のビジネスとしてゴーサインが出ないのです。

出版社にとって、1冊の本を出版することは、出版に要する費用を売り上げによって回収しなければならない、れっきとしたビジネスだという事実を、著者も忘れてはいけません。〔長嶺超輝〕