2018 年 09 月 28 日

【その15】接続詞で、書き手の「懐の深さ」を自然にアピールする方法

●原稿執筆
接続詞とは、文章の流れる方向をコントロールする「信号機」や「交通標識」のようなものです。

たとえば、「だから」「それで」「したがって」「ゆえに」のように、前から後へそのまま進んでいくのは、【順接】の接続詞なんて、学校で習ったかと思いますが、そういう分類は気にしないでください。

そのまま前へ進む意思があるものは、いわば青信号の接続詞ですね。

【ただいま進行中】という方向性を示したり、ひとまずの結論へつながり、【文章の目的地に到着】したことを示す場合もあります。
いったん出した結論を踏まえて、再出発することだってあります。

「そして」「しかも」「そのうえ」は、【添加】の接続詞ですが、これも話を前へ進める意思があるので、青信号ですよ。

「だから」「それで」などに比べると、後へ続くにつれて畳みかけるイメージですので、【徐々に加速】している感じがします。

「しかし」「けれども」は、【逆接】の接続詞ですね。文章にいったんブレーキをかけて、方向転換させます。


ところで、こうした接続詞を組み合わせて、あなたの主張を「懐が深く」「視野が広く」見せる方法があります。

それが、“たしかに” ⇒ “しかし” ⇒ “したがって”という、接続詞の3連パターンです。

これに文章を当てはめていくと、あなたの主張に対立する立場まで取り込みながら、反対意見を踏まえて配慮し、しかも納得させることができる可能性を組み立てられます。より多くの読者を獲得できるパワーも、文章に宿るのです。


たとえば、「ぼくは、明治『きのこの山』が好きだ」と、率直に自分の好みを書いたとします。

これでは、同じ好みの「きのこの山派」に所属していない限り、「あっ、そう」「そりゃ、好き好きだね」という冷やかな感想のみでスルーされて終わってしまいます。

ここに、『たしかに・しかし・したがって』のゴールデンパターンを当てはめてみましょう。

ぼくは、きのこの山が好きだ。

たしかに、たけのこの里は、チョコ部分とクッキー部分が絶妙に融合しながら、見事なハーモニーを奏でているかもしれない。

しかし、きのこの山は、チョコ部分とクラッカー部分がつながっていながらも、それぞれの存在感を主張している。ぼくは、このようなスタンスの生き方に憧れている。

したがって、チョコとクラッカーがタッグを組んで協力しあいながらも、それぞれが独立し、いい距離感をキープしている、きのこの山をこよなく愛している。


いかがでしょうか。
このパターンに乗せると、多少しょうもない文章でも、強引な説得力を持たせることが可能なのです。
おためしあれ。〔長嶺超輝 @「きのこの山」と同い年〕