日本ワインに秘められた情熱と試行錯誤の物語
もっとワインのことを知りたい、新たなワインの楽しみを増やしたい方におすすめなのが本書です。
ここ数年、独自の繊細さや旨み、エレガントさを持つ日本ワインがブームになっています。
そんな上質なワインを生み出す背景には、底知れぬ苦労があるはず。
本書では、日本でワインづくりに情熱をかけた生産者の12の物語を綴っています。
北海道でピノ・ノワールを作るのがドメーヌ・タカヒコの曽我貴彦さんです。ピノ・ノワールは、赤ワインの王者と称賛され、稠密で精緻、格調に満ちた味わいを持っています。
しかし、「優雅だけど扱いにくいプリマドンナ」と言われるほど気難しいぶどう品種で、かつては原産地のフランス・ブルゴーニュ以外で栽培できないと言われていました。
高温多湿で石灰土壌がない日本で、あえて難しいとされるピノ・ノワールの栽培を始めたのが曽我さんでした。
同じワインであっても、テロワール(畑の土壌、日照、気温、降雨量、水はけ、風通し、海抜、その風土と向き合う生産者の思考や哲学など)により、味わいが全く異なるそうです。さまざまな挑戦、悩み、試行錯誤の末、曽我さんは、日本の食文化を表現した日本ならではのピノ・ノワールにたどり着きました。
そのワインは、何度も「世界のベスト・レストラン50」の1位に選出されているデンマークのnomaにオンリストされるほどの高評価を得ています。
本書を読むと、ワインは人生を映すという意味を痛感します。
ワインのお供に本書はいかがでしょうか。じっくりと味わいながら、生産者の人生に思いを馳せたくなる一冊です。(中山寒稀)
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