「気になる子」の困った行動は、メッセージ
子どもは、さまざまな個性を持っています。その個性の中には、こだわりが強かったり、パニックを起こす子、攻撃的な子など、大人を困らせるような手がかかる子も。本書では、保育の現場で、そんな「気になる子」を理解し、かかわり方を学ぶことができます。著者は、保育科の教授として教鞭を執るほか、シュタイナーの治療教育をベースとした研修会などで講師を務める山下直樹さんです。障がいがある子どもへの教育実践として、個人を尊重し、最大限に伸ばすシュタイナー教育をベースにしたシュタイナー治療教育を提唱しています。
“シュタイナーの治療教育とは
人間本性の実現を目指し、体に働きかけることで、子どもの自己治癒力を活性化すること”
たとえば、頻繁に立ち歩き、ときには外に飛び出して行ってしまうような、じっとしていられない子は、いくつかのケースに分かれます。
「刺激が気になり、大きく反応してしまう」ケースでは、視覚や聴覚から入る刺激に過敏で、不必要な情報にも体が反応してしまっていることが原因です。
この場合は、刺激が少ない環境を心がけましょう。窓にはカーテン、棚には布をかけ、壁面の製作物を取り除いて、シンプルな保育室を心がけます。また、大声に気をつけたり、ドアが開け離れていないかなど、できるだけ音も遮断するようにします。
一方で、「活動がわからない、興味を持てない」というケースでは、そもそも何をするのかを子ども自身がわかっていないことが原因です。口頭で伝えられただけでは理解できない場合も多いので、「近づいて、短く、具体的に」伝えます。全員に伝えた後で、個別に伝えるとより効果的です。
著者によると、「気になる子ども」は、保育の現場でも家庭でも周りを困らせているように見えますが、実は子ども自身が困惑し、不安を感じ、傷ついて、困って、途方に暮れているといいます。そのため、周りの大人は、子どもの不安や痛みに気づき、寄り添うことが大切です。
本書ではさまざまな個性を持つ子どもを理解し、接するコツが紹介されています。保育者向けの本ですが、ご家庭でも子どもの気になる行動を理解するため、また親の悩みを軽減するために役に立つのではないでしょうか。
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