子どもの本と思うなかれ。短時間で意外な結末が楽しめる読書
大人気の『5分後に意外な結末』シリーズの『オレンジ色に燃える呪文』『エメラルドに輝く風景』の2冊に、合計6編の企画のたまご屋さん発の作品が掲載されています。著者は、井口貴史さんと塚田浩司さん。
「隕石の落下」(『エメラルドに輝く風景』に掲載)のテーマは、地球最後の日。当たり前に最後の日は家族と過ごし、その時を迎えると思っている主人公。しかし、夫は仕事へ、息子は恋人の元へ。電話回線がパンクしており、他の誰とも連絡が付かない状態。仕方なく酒を飲んで孤独を紛らわし、ふと気が付けば地球の危機は回避していました。大喜びするも、一人。そこで帰宅した夫の言葉に、主人公は……?
まさに意外な結末を迎えるわけですが、そのラストのオチはもちろん、実際に地球最後の日が来たら、そんなもんだよねと思ってしまう皮肉なストーリーになっています。
そんな「隕石の落下」とは対照的なのが、「オトナバー」(『エメラルドに輝く風景』に掲載)。
必要な時だけ行くことができる不思議なバーで、ここに集うお客は、みな悩み事を抱えています。マスターと話をし、答えを見つけるとそのバーを去っていくのですが、そこのお客にはある共通点が。それを知った時、主人公も自分の答えを見つけ、そのバーを去ることになります。少し心が疲れてしまったときに、マスターが主人公に語る言葉がじんわりと染みる話です。
カテゴリーは児童書ですが、大人が読んでも少し違った目線で楽しめる本になっています。5分以内で完結するがストーリーなので、続きが気になってやめられないということもありません。寝る前のリラックスタイムに最適ですが、短いがゆえに、ついついもう一話だけと、延々と読み続けてしまいそうな気もしますが。(中山寒稀)
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5分後に意外な結末exオレンジ色に燃える呪文/エメラルドに輝く風景