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2018 年 07 月 25 日

ベッドにいてはいけない――不眠のあなたが変わる認知行動療法

著者:

土井 貴仁

出版社:

弘文堂
健康実用書

ベッドにいても、疲れはとれない。20年悩んだ不眠を克服した認知行動療法

最近、悩んでいる人が増えているという不眠症。眠いのに眠れない。疲れているのに眠れない。その影響は日常生活にも及びます。本書『ベッドにいてはいけない』によると、2016年厚生労働省「国民健康・栄養調査」では、睡眠で休養が十分に取れていない人の割合が19.7%だったそうです。

本書の著者も、長いこと睡眠で悩んでいたとのこと。物心ついた時には、すでに睡眠が苦手だったというから、筋金入り。不眠が原因で、中学校時代には不登校、高校中退、大学受験の失敗を経て、睡眠薬に頼るようになり、大学時代は一時的に普通の生活が送れたそうですが、就職してたった3か月で、再び不眠が原因で休職をする羽目に。そこでやっと、不眠と正面から向かい合い、睡眠専門クリニックを受診して、不眠の認知行動療法に出会います。

“不眠の認知行動療法で行うのは、主に睡眠の仕組みや不眠の原因について学ぶ心理教育と睡眠衛生教育、さらに学んだことをもとに日々の睡眠習慣や考え方を改善する方法です。睡眠習慣を変える方法として、それぞれ「〇〇法」と呼ばれるものがあります。”

著者の場合は、不眠の原因として「条件づけ」が関係していたそうです。ベッドが「不安を感じるところ」「緊張を感じるところ」という刺激になっており、眠れないことにつながっていたとのこと。それゆえに、ベッドに入るまでは感じていた眠気が、ベッドに入った瞬間にこころも体も緊張してしまい、眠れない状態になってしまうそうです。

著者のような「条件づけ」の不眠には、「刺激制御法」の効果が高いとのこと。その方法は次の3つ。

“「眠たくなるまでベッドに入らない」

「眠れない時はベッドから出る」

「眠ること以外にベッドを使わない」“

とても簡単なことに思えますが、慣れるまでは、眠れずにベッドから出ることが不安でつらかったそうです。しかし、その甲斐あって、やがて少しずつ眠るまでの時間が短縮するようになっていきました。さらに日中の行動を整えたり、リラックス法をとり入れるなどにより、睡眠薬を手放し、著者の20年にも及ぶ不眠の呪縛から逃れられることができたのです。

睡眠は誰でも当たり前にするものであり、生きていく上で必要不可欠。だからこそ、そこがうまくいかなくなってしまうと、生活のすべてに影響が出てしまいます。まずは、睡眠を知ること、そして必要があれば専門医を頼ることを考えた方がよさそうです。元・不眠の患者が書いたからこそ、リアルな不眠のつらさ、そして乗り越えるための道標が伝わってくる本になっています。(中山寒稀)

 ベッドにいてはいけない――不眠のあなたが変わる認知行動療法