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2017 年 09 月 21 日

運動するときスポーツドリンクを飲んではいけない パフォーマンスを最大限発揮できる「糖質制限」食事術

著者:

清水泰行

出版社:

廣済堂出版

本書の著者は、ドクターという職業にもかかわらず 、白米大好き、スイーツもコーラも大好きな糖質依存状態。それゆえに典型的な肥満体をしており、40歳を過ぎた頃、健康診断で中性脂肪の値が400(通常の3倍)になってしまったそうです。そこで一念発起し、アトキンス式低炭水化物ダイエットを始めました。すると、ゆるめの糖質制限にもかかわらず、たった2ヶ月で8キロ減量に成功。さらに、マラソンを始めたことをきっかけに、持久力が必要なスポーツには糖質制限が向いていることを体感します。

マラソンなどのスポーツには欠かせないと思われてきた、スポーツドリンク。しかし、ここに糖質の落とし穴がありました。スポーツドリンクには500ml中、多いもので角砂糖8個分の糖質が含まれています。

“スポーツドリンクをガブガブ飲んでいたときのほうが、レース後半のパフォーマンスの低下は激しく、喉の渇きも飲めば飲むほど強くなっていきました。

スポーツドリンクを飲んで血糖値が上がると、体の細胞の水分が血管内に移動し、細胞が水分不足となります。そのため、さらに口が渇く感じがひどくなり、スポーツドリンクをさらに飲むという悪循環になっていたのでしょう。”

しかし、糖質は、エネルギー源になると言われています。スポーツをする人が糖質制限をしても問題はないのでしょうか?

“練習が大事なのはもちろんですが、パフォーマンス向上に必要なのは食事です。そして、ポイントになるのはエネルギー源の「ケトン体」です。”
ケトン体は脂肪酸から作られるエネルギー源。実は、エネルギー源は糖質から作られるブドウ糖だけではありません。ケトン体は糖質制限をしても体の中で作られ、ブドウ糖をエネルギー源にする脳も、足りなければケトン体を原料にします。そんなケトン体質になるためには、糖質制限食が必要です。中でも、1日当たりの糖質を30~60%に抑える「スーパー糖質制限」がおすすめだとのこと。

“「スーパー糖質制限食」1日当たり0~50グラムの糖質摂取

当然主食は無しです。ケトン体質に向かい、脂肪燃焼を促進し、すみやかに体脂肪が減少します。初めての方には、最初の1週間は最小限の運動を推奨します。できる限り心拍数も上げないようにします。体が慣れてくると素晴らしいパフォーマンスを発揮します。最初の1~2か月はこの摂取量を維持しましょう。”

完全なケトン体質になるには3~4週間が必要です。スポーツをしている人は、最初、かなりパフォーマンスが低下しますが、回復すると以前よりも状態が良くなるとのこと。また、それ以外の人でも、寝つきがよくなる、食後の眠気が減る、疲れにくくなるなどの変化があるそうです。

本書では、スポーツ以外にも、糖質は多くの病気に関係していると書かれています。糖尿病、脂質異常症、高血圧、認知症、がん、発達障害、うつ病、片頭痛、痛風、関節炎……など。糖質が持つ体への影響は大きく、すべての人が糖質制限をやると、病気の今まで常識だと思われてきた食生活と健康の概念が打ち崩される内容です。改めて、自分の体を日々作っている食事の大切さを考えさせられるのではないでしょうか。(中山寒稀)

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運動するときスポーツドリンクを飲んではいけない パフォーマンスを最大限発揮できる「糖質制限」食事術