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2017 年 08 月 18 日

食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門

著者:

古谷彰子

出版社:

ディスカヴァー・トゥエンティワン

朝食はしっかり食べて、夕食は軽めにしたほうが体にいい。夜遅く食べると太りやすい。要するに、夜はあまり食べないほうがいいらしい。食事の時間を管理すべき理由は、その程度の認識でした。しかし、食事の時間と健康やダイエットは、綿密なつながりがあるのだそうです。

最近は、様々な分野で、体内時計に関する研究が進んでいます。実は、体内時計は1つではなく、体中のあらゆる細胞に備わっているといいます。脳には「メイン時計(親時計、主時計)」が、胃、腸、肝臓、腎臓、皮膚、血管などの様々な末消組織に は、「サブ時計(子時計、副時計)」があるとのこと。

「時間栄養学」では、1日の中で栄養素を吸収、代謝する速度が変化することに着目し、食事や栄養素を摂る時間によって、体への反応性が変わってくることを研究しています。

例えば、海外旅行につきものの「時差ボケ」は、時間栄養学を利用することによって、早期解消につながるとのこと。日本からアメリカやヨーロッパに行くと、時差ボケに悩まされる期間は、およそ1週間程度。しかし、時差ボケを経験したことがないという著者曰く、「機内食」の摂り方によってスムーズに乗りきることができるのだそうです。

“「現地の朝食時間帯に合わせて機内食を食べる」――これを基本的な考え方としておくのです。”
「機内食が出て来たら、反射的に食べる」のは厳禁。出国前から現地時間に合わせて食事を摂り、就寝時間にあたる時間に機内食が出されても、食べないこと。体内時計で大切なのは「絶食時間」です。1日で1番長い断食の時間帯(就寝)を経て食事を摂ることで、体に「朝」というスイッチを入れることができます。

夜食べると太るわけ、薬が効きやすい時間帯、サザエさん症候群など、健康管理に生かせる時間の話はなかなか興味深いものがあります。シフト制の仕事で、朝起きて、夜寝ることができない方でも、体内時計をコントロールすれば、「自分の朝」を見つけることが可能です。

時間を管理するには、ストイックな生活をしなければいけないというイメージでした。しかし、上手くコントロールできれば、むしろ快適な生活ができるのかもしれません。(中山寒稀)

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食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門