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2017 年 03 月 08 日

フランス女性は80歳でも恋をする

著者:

野口雅子

出版社:

幻冬舎

もうこんな年だから、年相応な服を着て、年相応な髪形にする。そして、年相応な落ち着いた生活。日本では、ごく普通の考え方。でも、不思議なことに、同じ年代のフランスの女性はキラキラして魅力的。決して、年よりも若く見えるわけではないのに。そんな最近注目されているフランス女性の魅力の秘密を探っています。

“若さはあっという間に失われていきますが、それからが女性としての人生の本番です。パリでは50代、60代、70代、あるいはそれ以上の素敵なマダムたちが大輪の花のような輝きを放っています。”

日本では「若い女性が美しい」という考え方が一般的。ところが、フランスでは、若い女性には若さゆえの美しさがあり、年を重ねた女性であれば、それにふさわしい魅力があると考えるのが普通です。

“「いつもきれいにしていていいですね。その秘密は何でしょうか」と訊いたことがあります。すると「あら、当然でしょう。だって、人生、いつ何があるかわからないでしょう?」と。続けて「いつ新しいアマン(恋人)に出会うか、わからないじゃないの」といたずらっぽく笑って、さらに私を驚かせるのでした。”

著者が住むアパルトマンで隣人だった90歳のフランス女性は、外出する予定がなくても、ランジェリーからお化粧まで常にきちんと身支度を整えてたとのこと。90歳の女性の言葉はジョークかもしれないと思いつつも、いくつになっても女を捨てず、お洒落心を忘れないそのパワーを賞賛しています。

“90歳まで私が生きていたら、そんな生き方ができるだろうかと自問すると、きっと、遺品分けやお墓など人生の最期を迎える準備をしているような気がしました。何てロマンがない考え方なのだろう、と我ながら苦笑しました。”

著者が想像した終活は、日本ではそう珍しい考え方ではありませんし、悪いことでもありません。ただ、改めて考えてみると、そういう考え方は魅力的ではないような気がします。活き活きと暮らすためには、もっと未来に期待する気持ちを持ちたいものです。

「自分がどう見られたいか」ではなく、「自分がどうありたいか」を大切にして、人生を謳歌するフランス女性は、本当に素敵です。著者は、決して日本の女性を否定しているわけではなく、大和撫子ならではの、たおやかなジャパニーズ・マダムが世界に通用する日が来るかもしれないとも言っています。

“年を重ねるということは、ワインが熟成するようなもの”

熟成するほど味わい深くなるワインのように、自分を魅力的にするために時間を費やし、年を重ねることは、憂うよりもむしろ楽しみなくらいの価値があると思えてきます。(中山寒稀)

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フランス女性は80歳でも恋をする