禁煙はとにかくツライ。どうせ続かない。やめたけど、また吸い始めてしまった。そんなやめたいけど、やめられないという喫煙者が多いようです。本書では、クライアントの9割が禁煙に成功した「禁煙に特化した鍼灸院」を営む著者が「タケモト式禁煙療法」を提案しています。
喫煙者にとって「タバコはストレス解消」といいます。しかし、著者曰く、タバコはストレス解消にはならないとのこと。実は、タバコを吸うと自力で喜びやうれしさなどの幸せを感じるための脳内物質であるドーパミンが出にくくなるため、幸福感を感じにくい状態に。そこでタバコを吸うと、ニコチン受容体とニコチンが結合することにより、ドーパミンが放出され、強制的に快感を得ることができます。タバコを吸うことで感じるストレスを、タバコを吸うことで補っているのです。つまり、タバコを吸うことは、とても損をしていることになります。
【タケモト式禁煙療法の流れ】
禁煙開始直前――禁断症状対策を試す
禁煙開始初日――自分への意思表示
禁煙開始直後~3日――禁断症状に注意!
・最後のタバコを吸ってから30分~1時間後――禁断症状が現れる
・禁断症状の持続時間は約30~120秒でいったん収まる
・最後のタバコから24~48時間後――タバコが吸いたいピーク期
・禁煙開始72時間(3日間)――ニコチンが体外へ完全に排出される
禁煙開始2~3週間――絶対に油断してはダメ
禁煙開始約3週間~1カ月――脳の機能回復
禁煙開始1カ月以降~
禁煙は「いつまで禁断症状の苦しさが続くのか」というゴールが見えない不安がハードルの1つになると思います。しかし、もっとも辛い期間が禁煙開始後24時間から48時間でそれを過ぎると楽になるなど、我慢の目安が明示されることで、しのぎやすくなりそうです。また、それぞれの段階に応じた禁断症状対策が紹介されています。
本書の特徴は、しっかりと読み込んで、確実にステップアップし準備をすること。この本を理解することが、禁煙の特効薬であり、タバコへの心理依存が改善されるからです。“準備がしっかりとできていれば、禁煙に「ガマン」はいらない”と、著者は言っています。
タバコを吸いたくなる気持ちは、「吸わない人には、わからない」といいますが、元ヘビースモーカーだったという著者の言葉には、説得力があります。タバコが健康に悪いことは十分に承知していますが、幸せを感じる力すら弱くなってしまうほど精神的にも悪影響を及ぼすタバコ。喫煙者ではない私でも、恐怖を感じます。(中山寒稀)
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