「優秀な人材はどうしても大企業が持って行ってしまう。でも、中小企業だから、それほど優秀な人材じゃなくても…」という考え方には、いくつもの間違いがあるそうです。
大企業が大量に採用しているのは「優秀ではない学力が高い人」。実は、「学力が高い人」と「優秀な人」は驚くほど別物で、大企業が採用した後でも、「目立った学歴はないけど、優秀な人材」がたくさん残っているとのこと。また、「力なき新入社員」をサポートする仕組みが薄い中小企業ほど、本当に優秀な人材が必要なのだそうです。
では、仕事ができる人が持つ能力とは何でしょうか。
考える力(概念化能力)=目に見える「具体」から、それまでにはなかった「新しい概念」を創り出す能力
大人の意識(成果意識)=自らに求められているミッションを意識し続ける仕事力
しかし、この2つの能力はなかなか顔を出さず、見極めることが難しいそうです。そこで、本書で提案している絞り込み先が「対象に向き合う力」です。例えば、グループ討議をさせた場合、与えられ情報に意識を集中して、その処理に取り組む行動(内向)と、他者からの情報に心を寄せる行動(外向)を繰り返す人が、生産的な思考を実践できる逸材になります。
実は、グループ討議の中で発言が多い人や、リーダーシップをとる人が必ずしも「仕事ができる人」と評価されるわけではありません。また、発言が少ない人が、「静かなる逸材」という場合もあるそうです。
意外にも就職活動や面接の際に、「よかれ」と思っていやっていることの多くが、不適格な行動に該当しています。逆に、評価が低そうな行動をとっている人の中にも、逸材が隠れていることが少なくないとのこと。もしかしたら、「よかれ」という計算が見抜かれてしまっているのかもしれません。評価を受ける側にとっては、怖い本なのではないでしょうか。(中山寒稀)
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