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2016 年 11 月 01 日

認知症介護ラプソディ 笑って学ぶ認知症介護が楽になる40の知恵

著者:

速水ユウ

出版社:

メディカルパブリッシャー

初産を控えた著者は、育児への不安の解消と、節約ができるというメリットを考え、軽い気持ちで祖母の家に転がり込むことに。しかし、同居を始めて 間もなく「何かがおかしい」ことに気が付きます。絶え間ない頼み事に自己中心的な態度。しかし、元から自己中心的で頑固な祖母だったために、「性格のせいかも」と考えていました。やがて、物取られ妄想が始まり、なくしものが急増。そして、認知症を確信していきます。 

祖母の性格的に物忘れ外来に連れていくことはハードルが高いと考えた著者は、デイサービスを利用することに。なぜ、こんなにスムーズに認知症を受け入れ、柔軟に対策をとれたのか? 元々、著者は、大学の看護学部で老年看護を教え、介護老人保健施設で実習指導をしていたため、認知症に対する理解があり、システムにも知識があったのです。

ただ、実際に著者の祖母がアルツハイマー型認知症と診断され、同居する家族となると、仕事で患者と接することとはかなり異なることに気が付きます。最初の頃は、なかなか祖母に優しくできなかったそうです。

一緒に廻る寿司を食べに行った際は、ヤリイカは硬いからやめるように言ったにもかかわらず、どうしても聞かない祖母に根負けしてしまい食べさせることに。しかし、心配が的中。のどに詰まらせてしまい大騒ぎになってしまいます。著者は、廻る寿司屋で「高齢者がのどに食べ物を詰まらせた時の対応」の実演するはめに。息を吹き返し、ほっとしたのもつかの間、すぐに別の寿司を食べたいという。やっとの思いで帰宅した20分後、再び著者の元へ祖母が訪ねてきて、「寿司でも食べにいかへんか」と誘われたそうです。

その他、ストーブでご飯粒を火あぶりにしたり、おせち料理を大量に注文してしまった話、行方不明になってしまったなど、次々に著者と祖母の周りで事件が起こります。当事者であれば、ピリピリしてしまうような話ばかりですが、コミカルに描かれてるため、微笑ましいやり取りになっています。

また、信頼できないヘルパーは代えてもらうことも快適に介護をする上で大切な要素だといいます。さらに、食事を作った日付をタッパーに貼る、「お薬カレンダー」を作り服薬を管理するなど、生活を「見える化」し、複数の人が介護にあたれるようするなど、介護を楽にするための知恵が紹介されています。 

決して認知症介護は楽ではないと思います。だからこそ、楽しく明るく介護をするためにはどうしたらいいのか? それを考えるヒントになりそうな一冊です。(中山寒稀)

認知症介護ラプソディ 笑って学ぶ認知症介護が楽になる40の知恵