獣医と言えば、動物好きな子どもがあこがれる職業のひとつ。その獣医のリアルな姿をユーモアたっぷりに描いているのが本書です。
著者は、動物園勤務を経験し、現在はペットを治療する動物病院の院長を務めている獣医師です。獣医の仕事は、可愛い動物相手に楽しく、癒される仕事というイメージがありますがどうやら、それは大間違いのようです。
著者曰く、獣医は噛まれることが日常茶飯事で生傷が絶えないそうです。ちなみに、噛まれて最も痛かった動物は、意外にもシマウマだという。
そもそもシマウマは、おとなしそうに見えますが人間にはなつきません。そのため、治療するための麻酔が難しく、さらに麻酔をすることができたとしても、興奮しすぎてなかなか効かないとのこと。そのため麻酔が効かないまま治療することになり、噛まれてしまうという悪循環。しかも、シマウマは上下の歯がしっかりと生えそろっており、草をかみ切るほどの力があるため、かなり痛いのだそうです。
他にも、新米スタッフを威嚇するチンパンジーや鼻から水シャワーをかけるゾウ、ジワジワと精神的に追い詰めるようなイジワルをするオランウータンなど、普段の動物園ではみることができない、動物の裏の顔が描かれています。
また、簡単なペットのケア方法なども紹介されているので、現在、ペットを飼っている方にも参考になるのではないでしょうか。
著者や飼い主、動物園スタッフ、動物病院スタッフなど、登場人物は、こよなく動物を愛する人ばかり。また、著者が動物たちそれぞれの個性を尊重する姿勢に心温まります。
今までとは違う目線で動物園が楽しめそうな一冊です。
思わずビックリ!どうぶつと獣医さんの本当にあった笑える物語