わかりやすく説明したつもりでも、うまく伝わっていないという経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。実は、わかりやすく伝えられないということは、大きな損をすることにつながります。信頼を得られない、相手がイライラする、何よりも仕事ができないとみなされる…。
しかし、いかにわかりやすく話すか、いかにわかりやすく書くか、工夫しているにもかかわらず、今ひとつ、うまく伝えることができない。その原因はどこにあるのでしょうか。本書では、より的確な方法で効果的に相手に「伝える」技術を伝授しています。
本書によると、相手に伝わる話かどうか決めるのは、次の4つの要素になるのだそうです
。メッセージ…話し言葉、文章、ジェスチャー、表情など、話し手、聞き手が伝えたい内容を変形させたもの
メディア…対面での会話、電話、手紙、メールなど、話し手、聞き手によってつくられたメッセージを相手に届けるための方法
環境…メッセージがメディアを通して、相手に伝わるまでの間のコミュニケーションに影響を与える環境
聞き手、読み手…メッセージを受け取る、聞き手や読み手の理解力や意欲
わかりやすく伝えるためには、的確なメッセージと最も適したメディア、しっかりとコミュニケーションをとることができる環境を作ることが必要になります。また、発信する側の技術ばかりではなく、聞き手や読み手が受け取りやすい状態にすることが大切だといえるでしょう。
最もコミュニケーションを取りやすいのが対面の会話になりますが、返答に考える時間が必要な場合は、メールの方が適当なメディアになります。また、そつなく説明ができたとしても、相手の理解力がそれに見合っていなければ、聞き手は情報をうまく受け取ることができません。「伝える」ためにより効果的な方法を考えることが必要です。
伝え方のノウハウを扱った書籍では、情報を発信する側の技術にウエイトを置いたものが多いように感じます。しかし、本書では、発信する側の技術はもちろんのこと、受け取り手の目線に立つことで、独りよがりにならない伝え方を学ぶことができます。
また、本書は、図や表が多く、ポイントが一目でわかるように工夫されています。読み手であるいそがしいビジネスマンが、より短時間で理解できるように、「伝えるルール」を実践している書籍になっているそうです。
一度読んだ後に、改めてページをめくってみると、確かに「探したい項目がすぐに探せる本」になっていました。また、思わず笑ってしまう表現も多く、つい読みたくなるビジネス書だと思います。
デキる人はみんな知っている!わかりやすく伝えるルール26