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2016 年 04 月 06 日

先輩が部下になったら「定年65歳時代」のチームマネジメント

著者:

門脇竜一

出版社:

日本経済新聞出版社

「困った部下」は、昔から上司にとって悩みの種でした。その中で、特に最近、急上昇 しているのが「年上の部下」問題なのだそうです。さらに根が深いのが年上は年上でも、「元上司」や「仕事を教わった先輩」など、過去に上下関係があった「先輩部下」。

しかも、その先輩部下に対する悩みの根源は「態度の悪さと能力不足」なのだそうです。たちが悪い上に、上司として最も注意しにくい内容といえるでしょう。

本書では人材コンサルタントである著者が、定年65歳時代を迎え、先輩部下がいる職場チームの運営を円滑に進めてく方法を提案しています。

著者が提案しているのは「役割行動論」です。職場チーム全体で何をするかを明確かつ具体的に明らかにしておき、役割分担をします。次がメンバー個々に対する仕事の割付をし、仕事を任せるのです。

 部下に仕事を任せるためには4つのポイントを明示することが大切なのだそうです。

 “1 なぜ、その仕事が必要なのか(背景の状況)

2 納期(期限)

3 求められる品質(要求レベル)

4 優先順位(順番)“

年齢を意識しているのは先輩部下だけではなく、実は年下上司も同じなのです。「年齢」を意識せず、「役割」で仕事を考えることができれば、部下が元上司であっても、円滑な職場運営が可能になるとのこと。

未熟な頃の自分を知っている先輩部下は、弱みを握られているような気がして確かに厄介な存在。でも、より厄介な存在にしている原因は、年下上司である自分にもあるということになります。先輩部下をうまく使えれば、力強い味方になるかもしれません。部下をうまく動かせることがこれからのデキる上司の条件になるのではないでしょうか。(中山寒稀)

先輩が部下になったら「定年65歳時代」のチームマネジメント