相続のことはなんとなくはわかっているけど、なんだか漠然としていて…。でも、相続のマニュアルを読んでも、知りたいことを探すだけでも一苦労。しかも、専門用語がずらりと並び、なかなか頭に入ってこない。
そんな、相続の疑問や不安を行政書士であり社会労務士である2名の著者が100句の川柳にまとめたのが本書です。
“愛犬の 為に遺贈や 信託も”ペットが生きがいという高齢の方は少なくありません。いつでも飼い主を信頼し、そばに寄り添ってくれるペットは本当に大切な存在です。
しかし、ペットよりも飼い主が先に亡くなってしまった場合、ペットの運命がどうなるのか。飼い主がどんなに財産を持っていても、ペットに相続させることはできません。自分の世話を自分ですることもできません。そのため、ペットの行く末を心配される方も多くいます。
そこで、本書では「遺贈」や「信託」を提案しています。ペットの世話をすることを条件に財産を残すことで、自分の死後も大切なペットを守ることが可能になります。
相続のほか、成年後見人や遺言書の書き方まで、素朴な疑問から勘違いしやすいポイントなどが分かりやすく解説されています。また、ご家族にとっても言いにくいことが多く、うやむやにしてしまっていることも明確に書かれています。なんとなく目をそらしがちだった現実に一歩を踏み出せそうな一冊です。
“ご家族は 遺言書いてと 言えぬもの”
まさにその通りだと思いました。(中山寒稀)
相続川柳【相続を 気軽に学ぶ 五七五】