“I want to win!” 私は勝ちたい!
この著書の冒頭に登場する言葉です。当時、日本法人の社長として米国の本社から赴任してきた米国人上司が、著者にいきなり放った言葉だそうです。シンプルかつストレートなその言葉は、外資系企業で活躍しているビジネスマンの考え方そのものかもしれません。
外資系企業は、成果を出して当たり前。出せなければ容赦なく、降格や退職勧告を受けます。そんな厳しい状況の中で、どうやって成果を出していけばよいのか。特に部下を持つ管理職の立場であれば、さらに悩みは深いものになります。そこで米国系資産運用会社の日本法人で業界屈指の「成果を出し続けるチーム」を作り上げた著者が「逆転思考マネジメント」を提案しています。
「逆転思考マネジメント」とは、成果を得るために常識にとらわれることなく、必要なマネジメントをするという考え方。それが常識を逆転する、非常識だと思われるやり方だったとしても、あるべきマネジメントの本質が根底にあるため、実は理にかなった方法になるとのこと。そして、このようなマネジメントを当たり前のように行うのが、最高の上司といわれるエクセレントマネージャーです。
では、具体的に「逆転思考マネジメント」を実行するにはどうしたらよいのか。「逆転思考マネジメント」と日系企業に多い「管理思考マネジメント」の実例を比較することで、その効果や考え方の違いが明確になっています。
管理思考は、飛び抜けて優秀な部下には自由にやらせる。
逆転思考は、もっと上を見せて闘争心に火をつける。
「優秀だから安心して任せられる」という管理思考の上司の元にいると、部下はそこで満足してしまい、成長が鈍化します。逆転思考を持つエクセレントマネージャーは、もっと上の人物との接点を作ることで闘争心に火をつけ、成長意欲を刺激することで、さらに優秀な部下になるように仕向けるのだそうです。
部下に対し、考えに見合った結果を求める「管理思考」。それに比べ、「逆転思考」はより効果的に、より多くの成果を得ようとする貪欲さを感じます。成果を出し続けるチームをつくるには、部下の育成が必須。より優秀な部下を育てるエクセレントマネージャーと普通の上司の違いが明確になります。(中山寒稀)
外資系エグゼクティブの逆転思考マネジメント 成果を出し続けるチームをつくるための非常識な43のルール