「いるいる、こういう上司!」サラリーマン経験者であれば、誰もが抱えたことがあるであろう上司への不満。あからさまに言葉にできないからこそ、部下の不満はたまっていく一方です。
本書によると、「サラリーマンの7割が上司に対し、不満を持っている」とのこと。
言い方を変えれば、残りの3割は不満がないということになります。
では、その7割の上司と、3割の上司の違いはどこにあるのでしょうか。
本書は、実践心理学NLPやコーチングなどをベースに活動するメンタルトレーナーの著者が、デキる上司が身に着けている「50の暗黙知」を紹介しています。
ドン引き上司は主語が自分
デキる上司は主語が部下
そのカラクリがこちら。部下に情熱をもって仕事をしてもらうために大切なのが、参画意識を持たせること。そのためには、まず部下の意見を吸い上げることが必要になります。
ドン引き上司の会話の主語は、上司の「自分」。それでは、部下は自分の意見を言いにくいものです。
一方的に上司の意見を聞かされるという形になってしまい、不満が残ることになるからです。
ところが、デキる上司は、「部下」を主語にすることにより、発言を促します。それによって意欲が増し、部下は納得の上で、ポジティブに仕事をすることができるのです。
部下の選択に対し、上司が反対をする場面ではこうなります。
「“私”は、こちらの意見がいいと思うよ」
とストレートに言うのがドン引き上司。
「“君”は、なぜ、これがいいと思うの?」
から始まり、しっかりと部下の意見を聞いた上で、意思決定の場面だけで
「“私”はこう思う。どうだろう?」
と言うのがデキる上司なのです。
また、部下のためによかれと思って言っていることが、意外にもドン引き上司発言になっていることがあります。
「もっと、自信を持ってやっていいんだよ!」
「いいか、俺が若かった頃はな……」
「どうして、こんな結果になってしまったんだ?」
ドン引き上司の発言だけを読むと「何が悪いのか?」と思ってしまいますが、デキる上司の発言・行動で、その違いに納得できます。
まさにその差が、7割と3割の明暗を分けるのでしょう。
コミュニケーション力をアップして、ワンランク上のデキる上司を目指す方はもちろんですが、ドン引き上司に不満を抱えている方、ストレス解消に読んでみてはいかがでしょうか。(中山寒稀)
上司が熱く語るほど部下がドン引きするワケ