2016 年 02 月 04 日

『企画のたまご屋さん大賞2015』に『日本の大和言葉を美しく話す』(東邦出版)が選ばれました!

企画のたまご屋さん大賞

昨年の『企画のたまご屋さん大賞』に『日本の大和言葉を美しく話す』(高橋こうじ/東邦出版)が選ばれました。東邦出版の担当編集者山本 暁子さんと、著者の高橋 こうじさんに、記念のトロフィーを贈らせていただくとともに、受賞インタビューをいたしました。(写真左が山本 暁子さん、中央が高橋 こうじさん、右は担当プロデューサーの飯田 みか)

大和言葉ブームの火付け役となった本書はどのように生まれたのでしょうか。また、ベストセラーとなった理由はどのようなところにあったのでしょうか。今後の展開についても伺いました。

■知っているっているようで知らない「大和言葉」。そこから結びつきが生まれた

——最初にこの企画を見た時の印象を教えてください。

山本さん:最初は大和言葉のクイズという企画で配信されていました。漢語と大和言葉の言い換えという打ち出し方が面白かったですね。弊社では「日本の…」で始まるシリーズ本を出版しています。そのシリーズ本の一冊になるのではないかと考えました。大和言葉というジャンルは知っているようで知らないので、キャッチーだな、と思いました。

——高橋さんは「大和言葉」以前にもたまご屋さんをご利用いただいたことがありますか?

高橋さん:はい、よく送っていましたね。10回近く応募したんじゃないかな。配信されなかった企画も、もちろんありました。

——発売されて丸一年経ちました。本が出版されて変わったことはありますか?

高橋さん:一番思うのは、自分の内面が変わったと思います。話すのが得意ではなかったけれど、多くの方にほめていただけるようになったことで、少しずつ話せるようになりました。カルチャーセンターで講師をしたり、テレビにも出たりしましたね。これまでの人生では考えられない自分になりました。変わったな、と思います。面白いですね。人間はいくつになっても成長するのだなと思いました。
ただ、この本は自分の企画だと思っていません。たまご屋さん、出版社さんの結びついた幸運によって生まれた本です。この本を編集してくださった山本さんはもちろん、結びつきを作ってくれた出版プロデューサーの飯田さんが賞をもらうべきだと思います。僕の中では大和言葉があっただけですから。恵まれてことが運んでいくというのはこういうことなんだな、という体験をさせてもらいました。

——現在の発行部数は?

山本さん:18刷、27万部です。

——これほどのヒット作になると予想はされましたか?

山本さん:シリーズの中の一冊ということで、書店さんからそれなりの注文はありました。
でも、これほど伸びるスピードが速いとは意外でしたね。今、分析すると、大和言葉というフレーズが目新しかったのかな。きれいな言葉づかいをしたい、上品な言葉づかいをしたい、というより「大和言葉を使いたい」というのが時代の雰囲気にあっていたのだと思います。

■次は言葉への感謝を本に

——今後の展開を教えていただけますか?

高橋さん:今、山本さんと一緒に作っているのは、やはり日本語の美しさ、感動を覚える言葉を伝える企画です。大和言葉に限定せずに、普段使っている言葉をピックアップしています。その言葉を作ったご先祖様に思いをはせながら作っています。ただ、思い入れがありすぎて、なかなか筆が進みません。でも、とても楽しく書かせてもらっています。本来であれば大和言葉の続編を、となるところでしょうが、やりつくした感覚がありました。別のことをやりたい、という要望を出版社さんが受け入れてくれたのです。実用的な面よりは、古くから伝わってきた言葉への感謝を前面に出したものになる予定です。

——今後やってみられたい企画はありますか?

山本さん:日本語には擬態語とか擬音語が豊富なので、それを取り上げてみたいですね。例えば、静寂を現わす音「しーん」は音がないことを感じます。雨が「ザーザー降る」「しとしと降る」という言葉を見ても音を想像します。このような日本語の音を楽しむ本を『日本の大和言葉を美しく話す』と同じシリーズに落とし込めたら、面白いかなと思います。

——たまご屋さんへのメッセージをお願いします。

高橋さん:すべてはたまご屋さんから始まったことなので、感謝してもしきれません。それ以前の数年間もたまご屋さんという存在があったから、突拍子のない企画でも書こうと思えました。たまご屋さんを知らないころは、何か思いついても、どこも取り合ってくれないだろう、という思いが先行してあきらめてしまうこともありました。しかし、たまご屋さんはたくさんの出版社に見てもらえるので、もしかしたら、という期待を持って書けました。何度も企画や原稿を書いてきたことが自分の血となり肉となった。この本のおかげで幸せになったのもそうですが、『とにかく書いてみよう』と思ってずっと書き続けることができたのは、たまご屋さんのおかげ。その点も含めて、本当にありがたい存在です。育ててもらったと思っています。

山本さん:ご縁を運んでくださってありがとうございます。毎日、配信企画を楽しみに読んでいます。今後もご縁を期待しています。

——他に東邦出版さんのおすすめの本があれば教えてください。

山本さん:『日本の大和言葉を美しく話す』と同じシリーズ本の最新刊『日本の知恵ぐすりを暮らしに ―身近な食材でからだ調う―』があります。現在7刷です。日本に伝わる民間療法を取り上げた本です。もともとある「知恵袋」という言葉を使わず、「意味はなんとなく分かるけれど、詳細には分からない」ひっかかる言葉を使いたいと思いました。そこで「知恵ぐすり」というタイトルにしました。

——貴重なお話、ありがとうございました。

【『企画のたまご屋さん大賞』とは?】

一年間で『企画のたまご屋さん』から出版された本のなかから、出版プロデューサーと会員が、「面白さ・企画のユニークさ」「販売部数・オファーの多さ」という2つの観点で選んだものです。

(『企画のたまご屋さん大賞2015』の対象は、2014年10月~2015年9月に出版された37冊)

文責/『企画のたまご屋さん大賞』委員会 たかひらいくみ