single-column_book.php
2019 年 01 月 17 日

日本のことわざを心に刻む―処世術が身につく言い伝え―

著者:

岩男 忠幸

出版社:

東邦出版
趣味実用書

ことわざで学ぶ、先人の知恵

ことわざに関する書籍には、子ども向けのものが多くありますが、本書は大人が読むためのことわざの本です。そこには、先人たちの教えや知恵がたくさん込められています。

“人を呪わば穴二つ”

人を呪い殺して墓穴に入れようとすれば、自分も相手の恨みの呪いを受けて墓穴に入らなければならなくなるため、墓穴が二つ必要になる。つまり、人を陥れようとすると自分も報いを受けるという意味です。

よく耳にすることわざですが、改めてその意味を語られると、人間の弱さについて考えさせられます。実は同じようなことわざは他にもあります。「人を憎むは身を憎む」ということわざも人に憎しみを抱けば、その憎しみは巡り巡って自分が人から憎まれるという意味になります。言われてみれば、人を憎んだところで、何のメリットもないですね。

“秋茄子嫁に食わすな”

これは一般的には、「秋に収穫する茄子は味がよいので、もったいないから憎らしい嫁に食べさせるな」という解釈をしている人が多いのではないでしょうか。実はそれ以外にも「秋茄子は体を冷やす」「種子が少ないため、子どもに恵まれなくなる」ということから、嫁を気遣って食べさせないという解釈もあります。今も昔も、嫁姑の仲は複雑なようです。

ことわざの中には、古典文学や俳句、短歌、川柳などからできたものもありますが、庶民の生活の知恵や教訓などが口伝てでことわざになったものも多くあるそうです。生活に根付いたものであるせいか、子どもの頃に学んだことわざも、大人になって改めて考えてみると、その意味の深さにはっとさせられます。本書は、東邦出版で人気の「日本」シリーズの一冊です。(中山寒稀)

 日本のことわざを心に刻む―処世術が身につく言い伝え―